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Palos Verdes 半島にて

 

  •  季節感に乏しいLAにも、きわだって爽快な時季がある。ユーカリやローズマリーの香りをたっぷり含んだ清涼な空気、柔らかく明るい陽射しを感じる時。そんな日は絶好のバイク日和となる。車庫からBMWを引っぱり出し、そよ風を頬に感じながら、ゴルフ場の脇を静かに抜ける。緑はあざやかで、遠くに見える海の青ときれいな対照を見せる。

     海岸線に沿ったPalos Verdes Driveにでると、対向車も希で、海に広がる景色を一人じめ...ギアを落とし、スロットルを思いっきりあけると、針はレッドゾーンぎりぎり...時速80マイルの風を全身で感じる。湾の対岸にはマリーナデルレイ、サンタモニカ、マリブの山並みが見渡せる。オートバイを路肩に止め、エンジンを切り、ヘルメットをとると、風が心地よい。ここは絶好の夕陽ポイント。ある時は四角い太陽。ある時は沈み際の緑の光点がくっきりと。

     ・・・しばらくは潮風とともに走る。やがて道は山側に分岐し、タイトなワインディングが続く。カーブごとに思いっきり、体とバイクを傾ける。頭は空っぽ。行き止まりの丘からはLA街の灯かりが一面に広がっており、ダウンタウンの高層ビルが遠くに見える。しばらく休憩...少し冷たくなった風を受けて、峠を下り家に向かう。

     アメリカは車社会であり、道はあまりオートバイ向きではない。家族で移動するということもあり、旅行の手段はもっぱら車であった。旅行といっても、フリーウェイ(料金ただ)をひたすら走るだけなのだが、アリゾナやニューメキシコの荒野を走るのは、言いようのない解放感がある。漠々とした景色が続く中、ところどころにルート66の名残。

        BGM:The Band、Greatful Dead、Eagles、Lynyrd Skynyrd...

     単調な運転に頭ももうろうとしてくる。そんな中、時折見かけるHarley Davidsonの一群。ノーヘルで(州により可)、1340ccのビッグバイクを原付のように乗りこなす荒くれ。アメリカはやはりHarleyだ。

  • 今度は絶対Harleyで...

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