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ライディングスクールへ行こう!

by AYA

〜モトクロスごっこ編〜


わたしはセロー乗りである。セローといえばデュアルパーパス、つまり舗装路も未舗装路(ダート)もOKよ!という車種なのであるが、走るのはほとんど舗装路である。理由はふたつあって、ダートを走ろうにもわたしの住んでいる埼玉県内にはダートがろくにないことと、ダートを走る技術に自信がなくて怖いからである。
8月に群馬県の某M林道の未舗装部分に迷い込んで恐怖体験をした。坂道で慌てふためいてエンストしてしまったのである。何とかふんばって再スタートして、すぐ先のカーブ(視界が悪かった)もおそるおそる曲がったのであるが、この時身をもってダート林道の怖さを知った。
関東近辺で舗装されずに残っている道は、車の往来が少ないとか行き止まりぐらいであろう。初心者誰でもOKの走りやすい道なんてそう残っていないと思われるので、(ダートを走るとしたら)走行技術の必然性を痛感している今日この頃である。セローは軽量で取り回しのらくなバイクということらしいが、身体の小さいわたしにとっては決して軽くてらくではない。体格で劣る分は技量でカヴァーしなければならないのである。

そんなわけで「ライディングスクールへ行こう!」第2弾はオフロード技術を!ということでウェストポイント主催『モトクロスごっこ』。たまたまネットサーフィンで流れ着いて見つけた。さらに月刊『ガルル』9月号のなかなかお茶目な広告にも惹かれた。名前からして遊び心があるのがうれしい。参加資格が「自転車に乗れること」なので敷居がとても低いのも喜ばしいことである。
今回は私のほかにWHAからToru.OさんとAiさんもいっしょに参加。わたしは初体験であったが、お二人は二回目とのことであった。
 
 
モトクロスごっこ
参加日時 1999年10月2日
場所 (株)ウェストポイント オフロードビレッジ
(埼玉県川越市)
参加費用 男性11,000円 女性10,000円 他
(参加費は変動あります)
使用車両 ホンダXR100、ホンダCR80、カワサキKX80 他
参加資格 4歳以上で自転車に乗れること
ホームページ http://www.westpoint.co.jp
読み応えのあるとても楽しいホームページです

集合時間の9時半にウェストポイントのクラブハウスに到着。モトパンツに履き替えて待っているとAiさんが車で到着、着替えにかかる。ヘルメット、ゴーグル、グローブ、モトクロスパンツ、そしてオフロードブーツがレンタル用品。今回わたしはヘルメットとゴーグルを持参した。
10時になってもToru.Oさんが来ない。もしかしたら道に迷ったのかなーと気にしつつも、クラブハウスからAiさんの車に乗せてもらって会場のオフロードビレッジへ。
オフロードビレッジに到着。コースは荒川と入間川の広大な中洲にある。倉庫がわりとなっているバスの中で、自分のサイズにあったオフロードブーツを探し出して履き替える。
10時半からスクールがスタート。インストラクターを勤めるのはウェストポイントの社長にして81年250cc日本モトクロスチャンピオンという輝かしい経歴を持つ福本敏夫さん。一目でわかってしまう、白髪の派手なおじさんだ。
今回の参加者は15〜6名プラスレンタル走行の方3名。みなさんグループの参加であった。女性はAiさんとわたしを含めて4名。他の二人はバイクに乗るのは初めてだという。女性2人を含むバイク初めて組3人は別のインストラクターがつくことになった。
福本社長がマイクを手にして「モトクロスごっこ」の説明をしている間にToru.Oさんが到着。なんでも間違って数キロ離れたモトクロスビレッジの方へ行ってしまったらしい(^^; わたしが教えた地図が勘違いの元のようで、申し訳なかったです>Toru.Oさん。

準備運動を終えた後、待望のマシン選びである。ホンダXR100、ホンダCR80、カワサキKX80などがずらっと並んでいる。4ストで乗りやすいXR100はバイク初めての人とほとんど乗っていない、いわゆるペーパーライダーの人へ優先的に割り当てられ、「いつもバイクに乗っている人はレーサーにしましょーね」ということで、成り行きで2ストのCR80に乗ることに。XLR80Rより少し大きめのXR100に興味津々で乗りたかったんだけど・・・ まあ、いいか。Toru.OさんとAiさんは同じく2ストレーサーのカワサキKX80。
エンジン始動はキック。CRはそんなに重くなくて、かかりやすい。アクセルをちょっとゆるめたらあっという間にエンジンが止まってしまった。アイドリングというものがないらしい。というかそういう設定らしい。
まずは慣らし走行。2ストのバイクは大昔DT50に借りて乗ったことがあるけど、それ以来だ。ちょっとしたアクセル加減であれ〜っという間に加速してしまいそうな感じである。CR80の車体はとても軽くて乗りやすい。小さいバイクっていいな〜。

福本社長のウィリー走行による先導で(まるで曲芸)一番奥のコースへみんなで移動。パイロンがいくつか置いてある。ここで基本中の基本、コーナーの曲がり方とかスタンディングポジションでの走行の仕方を学ぶ。コーナリングはリーンアウト。足を出しながら曲がるのだ。これを教わってからというもの、セローに乗っていて時々ついついこれをやってしまう、普通の道で(^^;
福本社長がわたしの乗っているマシンを見て「これパンクしてるね」 !!! 走っていて全く気がつかなかった、鈍感なわたし。福本さんが乗っていた同じCR80と交換してもらう。これがマシン交換連発の始まりに過ぎないなど、その時点では思いも寄らなかったのである・・・

続いて初心者用のコースへ。オフロードヴィレッジはレースなども行うメインコース(Aコース?)の他に池付きのコース(Bコース?)、そしてこの(名前忘れたけど)初心者用のコースと3つもコースがあるのだ。他にも広いスペースがあったりと、充実している(わたしの文章では説明不足なので、ホームページの航空写真を見てね)。ここで初めてジャンプっぽい走りを体験。あまりスピード出ていない(はず)なので、そんなに怖くはなかった。わたしにとってはジャンプよりもカーブの方が怖い。やはりというか、ついにというか、ここで転けた。エンジンも止まった。アイドリングが止まってしまうとキック始動からやり直さなければならず、これがけっこうしんどい。そういえばXLR80R乗っていた時もキックが面倒だったっけ。

午後12時頃、午前中の走行が終了。さあ、注文したお弁当食べよ!と思いきや、「15分後に初心者対象の模擬レースがありますから、出場される方はお昼ご飯今食べない方がいいですよ〜」。Toru.Oさんとわたしは参加、Aiさんは見物ということになった。一周だけということだし、完走さえできればいいやという軽い気持ちだった。
模擬レース出場者はスタートラインに一斉に並ぶ。フリー走行で来ている方達もいっしょの参加だ。それぞれマイクを向けられて自己紹介をした後にスタート!
とにかく完走を目指して後ろの方からマイペースで着いていくという走りを心がけた。
しばらく走っていると、5〜6台がダンゴ状態で転倒している。先頭を切ってスタートしていたToru.Oさんも含まれていた。おダンゴ状態を横目で見ながらコースを先に進むが、あるカーブのところで失速してしまい、エンジンが止まってしまう。「あり〜、またやってしまったか」と思いつつキックをかけるも、エンジンがかからない。何度も何度もかからない。十数回やってもかからない。うわ〜、どーしよーと思っている間にも、先ほどのおダンゴ状態だった人たちが次々と横を通り抜けていく。その間もキックをかけるがかからない。そうこうしているうちに、ほとんどのマシンが通過してしまったようで、どうやらわたしひとりコースに取り残されてしまったようである・・・
もしやと思いガソリンタンクのふたを開けてみると、中は空っぽ状態。ガス欠が原因のようである。そんなところへ最後のレース参加者が通りかかり、「大丈夫ですか〜」と親切にも自分のマシンからおりてわたしのマシンのキックをせっせとかけて下さったのだが、やはりかかってくれない。「向こうに着いたらスタッフの方に連絡します」と言い残して走り去っていった。

それからどのくらい時間がたったであろうか。多分たいした時間ではなかったのだろうが、わたしには異様に長く感じられた。スタート地点の方向は山あり谷ありで全く見えないが、人のざわめきとか気配だけは感じられる。次のレースが始まりそうな気配である。ねえ、ちょっと待ってよ、わたしはまだここにいるのよ。取り残されたままレースが始まってバイクの一群がやってきたら・・・と思うとよけい心細くなった。
げげっ、バイクの音が一斉に鳴り響いている。レースが始まったのか?!不安と恐怖心で頭の中がまっ白け状態に。

誰か 助けて〜 わたしを忘れないで〜(泣)

が、しばらくして遭難救助隊が数台やってきた。「大丈夫ですか〜」「エンジンかからなくなってしまったんですゥ〜(泣)」遭難救助隊の人がバイクを傾けてからエンジンをかけてみたりするが、やはりかからず。「これはガス欠ですね。あそこまではわたしがバイクを運びますから、あとはご自分でスタート地点までバイクを引いて戻って下さい。レース始まっているから気をつけて下さいね」!!!。
えっさこらえっさこら、やっとスタート地点に戻る。ほんと、コース一周するのにエライ時間がかかったものである。レース見物をしているAiさんとToru.Oさんに帰着報告をして、昼食のお弁当を食べたが、疲労感がどーっとでて半分食べるのがやっとだった。なんだか1日分の体力を一気に使い果たしてしまったようで、ヘトヘト。
(わたしが戻ってこないことにAiさんが最初に気づいてくれたそうだ。ごくごく一部で「手足ポキポキ骨折!」「すわ、内臓破裂か!」などとの憶測もとんだらしい(^^; とりあえず無事には戻ってきたが、あのコースのど真ん中に取り残された恐怖は忘れられない)
 

お昼の休憩が終了。今度は先ほど取り残されたコースのフリー走行だ。AiさんはカワサキKX80から4ストのホンダXR100に乗り換えた。わたしも新たに乗るマシンを見つけなければならない。せっかくだから違う車種に乗ってみようということでKX80にトライ。乗った感じがCR80より大きい。
Aコースのフリー走行開始。KX80の感触がCR80と違い、感触がつかめない。またもやカーブを曲がり損なってアイドリングストップ。キック始動するも、なかなかかからない。先ほどの悪夢がよみがえってガソリンタンクを確認するがちゃんと入っている。ということは、単にわたしのせいなのね。KX80はキックの位置がCR80より高めで、なかなかうまくいかない。同じ2ストレーサーなのにこうも違うのか。失速したり転けたりして、その度にアイドリングストップ。通りかかったToru.Oさんに度々助けてもらって、キックをかけてもらう(感謝^-^)が、どうも調子が悪い。午前中より乗り方がヘタになってしまった。
頭にきて、コースを外れてスタッフのところへ行ってマシンを再びCR80に取り替えてもらった。
再びコースへ戻るが、あっという間に休憩時間。なんだかろくに走らないうちに終わってしまった・・・
 

休憩時間は福本さんを囲んでの質問タイム。ひとりひとりにマイクが手渡されていろいろとお話を伺うが、最後は福本さんの独演会ふうに。かつて現役モトクロスレーサーだったころのお話がとてもおもしろかった。

休憩後はBコースのフリー走行。Aコースに比べると短いけどより山あり谷ありに池までありの起伏に飛んだコース。走り出すが、池の手前で急に怖くなってしまって、またもやエンジンストップ。アイドリングを止めるがすっかり癖になってしまったようだ(^^; 例によってキック始動に難儀していると福本さんがやってきて、「あれ〜、またパンクしたのに乗ってるのかい」。なんとまたまたパンクしていたのだ。いつの間に・・・ しかも今回も全く気づいていなかったわたし。
福本さんが乗っていたホンダXR100と取り替えてもらい、気を取り直して再スタート。今日5代目のマシンである(^^; やっと待望のXR100に乗れた。今までの2ストレーサーに比べると4ストだけあってめったなことでは止まらない。カーブが怖くて「キャ〜」とかおじけづいて失速しても、決してエンジンは止まらない。そんなねばり強い4ストのエンジン特性に助けられて、今まで以上にユルユルと走るわたしであった。快調に飛ばすToru.Oさんに2、3回は抜かれたっけ。Aiさんは午前中難儀していた2ストマシンに比べるとだいぶ走りやすかったようであるが、それでも彼女の乗ったXR100の始動性が悪いらしく、キックスタートで難儀している姿を目撃した。
モトクロスごっこも終盤にさしかかり、肉体疲労がピークに達してきたのであろうか、右足がつれてしまった。「もうそろそろ辞めたいな〜」と思っていた頃に、集合の合図。あ〜、たすかった。
最後引き上げる前に福本さんがお披露目してくださったのが二人乗りウィリー。AiさんをXR100に乗せたまま福本さんが後ろに乗ってハンドルを操作して、あっという間に二人乗りウィリーの出来上がり。恐怖におののくAiさんの悲鳴もなんのその、サーカス芸のごとく走る。次に後ろ向き二人乗りウィリーなるさらに曲芸度の高い技(後ろの福本さんが後ろ向きに乗る)も試みるが、こちらはアクセルを握る役のAiさんとタイミングが合わずに成功せず(^^;

みなさんいっしょにコースから引き上げたら後かたづけ。洗車場でマシンとブーツを洗い、次に乗る人のためにガソリンを入れる。
最後にアンケート用紙に書き込んで、今日のごっこは終わった。われわれ三人は福本さんといろいろとお話したり記念撮影をしていただいた後、ウェアすべて自前のToru.Oさんは会場から直接TT250Raidで立ち去り、Aiさんとわたしは車でクラブハウスへ戻って着替えて解散となった。

なんだかモトクロスごっこの帰りは無性にダートが走りたくなって、河川敷沿いの砂利道を南下して帰ろうと思い、土手を上がりきったところでUターンに失敗、セローを倒してしまった(損傷はなし)。学習能力のないわたし・・・
 

【感想】
とーっても充実した一日だった。めいっぱい転んで遭難やらマシントラブルもあったけど、楽しかった。転んでもたかが知れてる。翌日体中痛かったけど。
素人でも気軽にコース走行を体験させてくれるモトクロスごっこはとても貴重な存在。普通ならマシンが自前&ある程度上手くなきゃコースなんておいそれと走れない。
普段はオンロードバイクしか乗らない人も是非体験してみるべし。わたしはまた近いうちに行くぞ〜!!
 
 

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【これからモトクロスごっこを体験してみようという方へ】


 

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