ちょっとミニツーリング 〜インドネシア・バリ島編〜

By Horipa


2000年9月23日(土)〜25日(月)にかけて、インドネシア・バリ島へ2泊3日の旅行に出かけてきました。

ジャカルタからバリ島までは飛行機で約1時間40分。ジャカルタとの時差は1時間で、日本標準時間より1時間遅く、ジャカルタより1時間早いことになります。インドネシアには3つの時間帯があり、ジャカルタは西部インドネシア時間、バリ島は中部インドネシア時間に属します。ちなみに東部インドネシア時間は日本と同時間帯です。インドネシアがいかに横に長い領域を持っているかということがこれでおわかりかと思います。おおよそアメリカ合衆国の西から東までの距離があります。

インドネシアにおいては、約9割の人たちがイスラム教を信仰しているのですが、バリ島はヒンドゥー教の人たちが殆どです。ジャカルタなどでテレビを見ていると、イスラム教のお祈りの時間になると、テレビ画面がいきなり切り替わって、アザーン(イスラム教のお祈り)が流れてくるのですが、バリ島ではヒンドゥーのお祈りが放映されていて、また趣が異なって新鮮な感じがします。
参考までに、「オーム真理教」の「オーム」というのは、ヒンドゥー教の祈りの際に唱える言葉です。

バリ島では、ジャワ島では一般的でない豚料理やアルコールを堂々と飲食することができます。(何の話やねん!)。

おことわりしておかなければなりませんが、レンタルバイクを借りたのは25日の1日だけでしたので、他の2日間については単なる旅行記となりますので悪しからず。



9月23日(土)
さて、私自身、バリ島を訪れるの約10年ぶりで、マダムは今回がはじめてのバリ旅行でした。当時は現在のように5ツ星ホテルもほとんどなく、まだのんびりとした感じでしたが、現在はおしゃれな店がたくさんできており、街の様子もかなり変わっており、特にバリ島南部のクタ地区はその変貌が激しく、物価もツーリスト価格で足元を見られているため、ジャカルタより高くなっているようです。

バリ島を訪れる観光客のほとんどは日本人とオーストラリア人で占められているように思われます。オーストラリア人の場合、家族で来ている人たちの割合が多いのですが、日本人の場合、ほとんどが若い女性、しかも2人連れで来ているように思われます。街を歩いているとその様子は一目瞭然です。他方、化粧の比較的濃い有閑マダム風の小グループも見かけますが、この人たちはおそらくジャカルタで働いている有閑駐在員妻であると思われます。

ある日本人は、バリの様子を見て、ここはハワイのようだ、と言っていました。今回バリ島中部のウブドには行かなかったのですが、ウブドには最近多くの日本人が押し寄せいているということらしいです。まあ、同じ日本人ですので、別に毛嫌いする必要はないのですが、日本人はなぜか外国に行くと、そこにいる日本人観光客に会うのを嫌がる傾向にあるようです。バックパッカーはそうでもないようですが、ちょっとハイソ(死語?)な旅行を楽しみたいと思ってきている人たちは、特にその傾向が強いように思われます。

と、余計な話題をかなり書いてしまい、ツーレポとは殆ど無関係な内容に発展してしまいましたが、バイクに乗ったのは25日(月)でしたので、もう少し、余計な話をさせていただきたく思います。

Bali map私達は今回バリ島南部のレギャン地区(右のつたない地図をご参照下さい)のホテル・パドマというホテルに宿泊しました。一応5スターホテルです。

インドネシアの場合、インドネシア人及びインドネシア在住外国人については、一般外国人より格安な料金でホテルに宿泊できる二重価格制度があります。おおよそ5割〜6割引きの料金で宿泊することができるのです。今回泊まったホテルも日本からの予約の場合の約5割で泊まれました。この点はインドネシアで働いていて良かったと思う点です。

ロビーは吹き抜けで天井にはファンが廻っており、南国のリゾート地に来たなあという雰囲気が味わえます。

部屋はシャーレとなっており、平たく言うと、ロッジみたいなものがホテルの敷地内にたくさんあり、それぞれのロッジに部屋が4つほどあるという感じになっています。今回泊まった部屋は特に海が見える部屋ではなく、中庭が見えるだけで、何の変哲もないものでした。デラックス・シャーレというタイプだったのである程度は期待していたのですが、期待はずれでした。

バリ島に来て感じたのは、ジャカルタよりも暑いのではないかということでした。日差しもきつい。

Pantai Regian夕方涼しくなってから、お店が軒を並べているレギャン通りや海岸沿いを歩いて散策しました。

海岸は思ったほど人がいなく、夕涼みにきている地元の人たちや、サーフィンをしている人がぽつぽついる程度でした。

ここでマダムは浜辺のネイルペイントのオバさんにつかまり、長時間に及ぶ交渉の末、25,000ルピア(約400円)で手と足の爪にペイントしてもらうことにしたようです。nail

10年前はこのようなネイルペイントオバちゃんや、マッサージ、髪結いオバちゃんが無尽蔵にいたのですが、現在では登録制にになっているようで(おそろいの青いTシャツをきて、登録証を持っている)、その数も少なくなっており、うっとおしい思いをすることもすくなくなったようです。それでも浜辺を歩いていると、オバちゃんが声をかけてきます。

ペイントのできあがりについてマダムは結構喜んでいたようでした。

その後ホテルに戻り、ホテル近くの安いレストランで夕食を取って、その日は過ぎていきました。

9月24日(日)

昨日ホテルの旅行社を通じて、ツアーの手配を頼んだ。ツアーと言っても運転手つきの車をチャーターして、主な目的地だけを設定し、後は時間内で自由に旅行してもいいという内容のもの。朝8時から16時までの8時間で、ガイドなし/運転手つきで、350,000ルピア(約4,000円ぐらい)。

朝8時にロビーで待っていたら、一応制服のような服を来て日本語で話しかけてくる人がいて、その人が旅行者の人だったのであるが、実は日本語ガイドの卵であり、今回は無料で添乗させてもらいたいという趣旨であったので快諾した。追加料金はなし。恐らく、ちょうどいい練習の場ができたということで、急遽そのガイドの卵を送りこんできたのであろう。。まあ、こちらとしては、マダムがインドネシア語もまだ初級だし、日本語でガイドしてくれる方がありがたいと思ったのでちょうどよかった。

最初にバリ島北東部にある、バリ・ヒンドゥー教の総本山であるブサキ寺院を目指すことにした。この寺が本日のメインの目的地である。レギャンからは約50キロぐらいの道のり。レギャンから西側の海岸沿いの市街地をしばらく走るバイパスは片側2車線で快適な道路である。市街地を抜けてから寺院までの道路の状況もおおむね良好である。しかし、寺院がある山間部にさしかかると、長い直線の坂道がたびたび現われ、車のエンジンがしんどそうになることがしばしば。Besakih
途中で、べスパばかり20台程に乗っている集団に出くわした。写真を撮ろうと思ったが過ぎてしまい残念。

約2時間後、ブサキ寺院に到着。山の上の方に位置しているため、下界よりかなり涼しい。車は寺院より100mぐらい離れた駐車場に置かなければならず、そこからは徒歩。駐車場入口あたりで、お布施(金額は自由)を払い、上り坂を歩いて行くことになる。歩くのが面倒くさい人用に、「オジェック」というバイクタクシーが待ちうけて、しきりに乗らないかと声をかけてくるが、ぼられるのが落ちだし、距離が短いので歩いた方が良いです。もし乗りたいと言う事であれば、1,000ルピア。ジャカルタにもオジェックはあるが、短い距離であれば通常そのぐらい。観光地では通常はその10倍ぐらいでふっかけてくる。まあ、外国人相手のなのでしょうがないと言えばそれまでだけれど。私は以前バンドンで乗ったことがあるが、通常の2倍以上は払ってしまった経験がある。

Besakih寺院についてからも、今度は、ガイドを申し出てくる人物(個人的にやっている)がまとわり付いてくる。それらを無視して歩くのが一番。今回は旅行者のガイドがいたので、あまり人は近寄ってこなかった...
ブサキ寺院はヒンドゥー教の寺院であるが、ご存知のとおり、ヒンドゥー教にはカーストがあるため、そのカーストに属する人だけの専用の寺院が同じ敷地内に存在し、カーストが違うものはお互い他のカーストの寺院には入れないという戒律がある。
また、外国人も寺院の敷地内には入りこめないため、門の外から中を伺うしかない。


ちょうど私達が訪れた時には、一番下のカーストに属する人たちが儀礼ををしているとことであった。

バリ島では毎日至るところでなんらかの儀式が行なわれており、それが例えば葬式であったりするのであるが、こちらの葬式はとても華やかである。

車で走っていると、道路に「只今儀式の最中につき車通行注意」という表示板をたくさん目にするのである。

(左:儀礼終了後の様子)



余談であるが、イスラム教では犬も不浄な動物として、一般的に忌み嫌われており、街中で犬を見かけることは殆どない(野良猫は大変多いのだが)が、バリ島ではヒンドゥーということで、犬にとっては過ごし易い環境にあるため。飼い犬だけでなく野良犬もがたくさんあちこちにいることに気がつく。

 (右:ブサキ寺院の階段で犬とツーショットのマダム)

ブサキ寺院を後にして、今度はどこに行こうかと考えていたのであるが、まだ行ったことのないバリ島東部のアムラプラという街に行くことにした。
運転手とガイドもこの街のことを知らず、途中何度か地元の人に行き方を聞いていた。

アムラプラはブサキから約40キロの道のり。といっても山間の道を走るので結構大変だ。しかし、のんびりした風景が続いており、バイクでツーリングしたら楽しいだろうなあと思った。ライステラスも結構存在するし、道端の清流でマンディ(水浴び)している人たちの姿が目に入り、ほのぼのとした感じである。

Puri Agung Karangasemアムラプラは昔カランガッセム王国の都として栄えた街であったが、19世紀にオランダの侵略後は西洋文化との融合が進み、その名残が街の随所に残されている。街自体は小さいのであるが、整然としており、とてもきれいな街であった。私たちはアグン・カランガッセム王宮を訪れた。

左の写真は王宮の中にある池の中心に浮かんでいる宮殿である。

観光客は私たち以外におらず、王宮の庭では近所の子供たちがバドミントンをしたり、池で釣りをしたりしていてのどかな雰囲気であった。Puri Candi Dasa

アムラプラを跡にし、今度は東海岸のチャンディ・ダサという集落をめざすことにした。チャンディ・ダサへは約15キロ。途中、ダートの峠越えがあったが、トラックやバスなども頻繁に通るため、砂埃が舞いあがっていて、これがバイクで走っていたら最悪である。それでもバイクで峠越えをしている人たちもたくさんいた。オフ車ではなく、カブタイプのバイクでで、ある。

峠越えをして舗装道路が現われてきたら、そこはチャンディ・ダサの集落に入る。道沿い約1キロに渡ってレストランやホテルが立ち並んでいるが、クタやレギャンのような喧騒はまったくなく、田舎の海水浴場といった風情である。私たちはこの集落にあるチャンディ・ダサ寺院を訪れた。何の変哲もないヒンドゥー寺院であるが、地元の人たちの信仰の場である。

batチャンディ・ダサ寺院を後にして、ガイドのお薦めにより、ゴア・ラワ寺院へ立ち寄ることにした。私自身は10年前にもこの寺院を訪れている。この寺院はバリ六大寺院の1つに数えられ11世紀に建立されたとのことである。この寺院の境内にある洞窟はブサキ寺院まで続いているという言い伝えもある。

その洞窟にはコウモリが数千匹生息しており、間近で不気味な大量のコウモリを目の当たりにすることができるが、あまり気持の良いものではない。
左はその洞窟にへばりついているコウモリの群れである。キショク悪いの一言に尽きる。 
境内から道路を挟んで広がる海岸では、時折バリヒンドゥーの葬式が行なわれており、私たちが訪れたときも、ちょうど海岸での葬式が終わったところで、人々が境内に戻ってきている最中であった。


この寺院を見た後は、そろそろ時間もせまってきたこともあり、ホテルへ直帰することにした。
本日はお寺巡り三昧であった。(つづく)