Hiromiの苺狩りデビュー・ツーリング(2000/3/11)



 
2000年3月11日(土)

・はじめに


 公道デビューして7週間目の私にもツーリングデビューの日がやって来ました。
 このたび無事に「西伊豆紀行春ツーリング」に参加することができたのも、WHAJの皆さんのおかげです。慣れない私をエスコートしてくださってありがとうございました。…そんな感謝の気持ちを込めて、ささやかながらツーレポなるものを書きました…。

 今回ご一緒させていただいたのは、Masatoさん、Koichiroさん、Mamoruさん、Toruさんの4人。
 次回は、ゲストブックに長いメッセージと可愛いお顔のマークを書いてくれたセロー乗りのAyaさんに、セローのハンドルについてメールをくれたAkiyoさんに、「沢山走ってますね」とメールをくれたマダムに、また、他の皆さんとも是非お会いしたいです。


・初ツーリング

 出発の朝は前日早めに寝たからか、たぶん嬉しくて興奮気味で4時半に目がさめた。
コーヒーの入ったポット、合羽とメガネをヒップバックにつめて江戸川沿いの公園で7時すぎにToruさんと合流。海老名SAに午前9時半集合を目指して出発。首都高速に乗ったけれど、ひどい渋滞で渋谷にたどり着くまでに1時間15分。

東名用賀料金所で偶然にもMamoruさんとばったり出会ったが、「ゆっくり行きますから。」と言ってMamoruさんには先に行ってもらった。

 予定より15分ほど遅れて海老名SAに到着し、Masatoさん、Mamoruさんと合流。「次回はバイクで会いましょうね」と言ってくださったMasatoさんにセローに乗って再会することができた。その後間もなくKoichiroさんが到着。自己紹介をして、コーヒーを飲んで、皆で記念撮影。Toruさんがカメラ片手に「新車いいなぁ」を連発している…。



・新品バイク


 KoichiroさんのホンダCB400Fも新品。マフラーが4つ装備してある。隅々に磨きがかかっていて、深みのあるブルーが印象的。小物やウエアーも同系色でまとめている。ヘルメットの横に小さなピカチュウが。MasatoさんのホンダCB750も新品。なんてタンクが大きいのだろう。それに速そう。バンダナの色はバイクと同系色でミッキーマウスがワンポイント。

MamoruさんのカワサキW650も新品。白いマフラーと茶系のパンツで決めている。足がべったりついていいな。替えたばかりのマフラーの「ズババババ」という音がかっこいいと皆の話題に。ToruさんのバイクはヤマハTTR250レイド。車高が高くて足をつくときはつま先立ちになってしまうバレリーナ・バイク。これに乗ってモトクロスごっこの模擬レースに出ることができたら最高だと思う。カワサキZZR1100は今日はお留守番。

最後に私のバイクは赤セロー。わずかにアンコ抜きをしてもらった。こけてもすぐにエンジンがかかってくれる飼い主思いのバイク。タイヤには土ぼこりがついている。これまでで一番遠くまで走ったのは愛鷹林道の一つ星ダートコース。

全員がそろって沼津インターへ向かう。先頭はMasatoさんで私は2番目を走った。時速は70キロくらい。初めて5台で走り、「これがツーリングというものなのね」と感激。


・いちご狩り


今回のツーリングでは私がいちご狩りをリクエストした。都営地下鉄の車内で「もぐ、いちご、もぐもぐ 伊豆」という広告を目にしてから「ツーリング=いちごもぐもぐ」と心の中で反芻していましたもの。おまけにコンデンスミルクまでついてくるなんて幸せ。沼津インターを降りて、いちご狩りスポットを探す。県道を走り韮山町へ入り、富士見パークウェイあたりまで走り引き返し、伊豆長岡町でいちご狩りをすることに。

制限時間30分食べ放題で1300円。バイクで現地に向かう。ビニールハウスが連立していて、割り当ててもらったハウスの入り口でコンデンスミルク入りの受け皿をもらう。ハウスに入ると何人かの観光客が奥のほうに固まっている。「いちごの量の割に人は少ないのね」と思いきや、私たちが入って間もなく団体さんが入ってきた。より食べるスピードに拍車がかかったのは私だけかな…。当日食べたいちごはとても甘くて美味しかった。(お昼ご飯の前だというのに、30個以上は夢中で食べたかな。記念撮影もここで。)どんなに美味しいいちごでも30分間食べつづけることはできず、満足した時点で約束より10分早くいちご狩りは終了…。


・いちごメモ


伊豆なので近代歌人の若山牧水もちらっと考えましたが、今回の学びの部はじかに触れてその素晴らしさを堪能させていただいた「いちご」に決定!

いちごはバラ科の多年草。草であるゆえ、メロンやスイカとならんで野菜の仲間であるはずで、世界食糧農業機構の統計でも野菜扱いになっている。でも生産者-市場-小売店-消費者の青果流通からみると、果物扱いになっていてトマト(ナス科)、カボチャ(ウリ科)などの野菜と別格の扱い。統計では草扱いで、流通ではフルーツ扱いのいちごは「果菜」扱いということになっている。草木になる木いちご(モミジいちご、カジいちご、ラズベリーなどのベリー類は落葉小灌木)は木に成るから果物で野菜ではないのよね。…うーん、美味しければ野菜でも果物でもどっちでもいいな。

…という、いちごの価値観は「重・厚・長・大・軟・汁・甘・香」であらわされるそうです。こうした8条件の美意識で日本の芸術イチゴが作出され、品種は100種を超えています。いちごがヨーロッパで栽培されるようになったのは中世でフランスやベルギーでの山いちごが始まりだそう。日本へは19世紀なかばにオランダ経由でやってきました。

日本のいちごはオランダいちごを選抜、交配、品種改良したもの。その中で、形も、色も香りもよく、風味抜群という芸術いちごを誕生させた日本いちごの元祖は、新宿御苑顧問の子爵福羽逸人博士が作った「福羽いちご」。今でている多種多様ないちごは新宿生まれの福羽系と、欧米種のハワード系の2つに分かれて発展し、福羽の直系は、芳玉、幸玉、春の香、豊の香、麗紅。日本市場に出ているいちごのすべてが福羽いちごにつながるそうです。

 『人気者のいちごは老若男女を問わず誰からも愛される果物で、日本では砂糖や牛乳をかけて、フランスではワインビネガーを、アルプス地方ではレモンを、北欧ではヨーグルトをかけるそうです』

文学では『若草物語』『赤毛のアン』映画では『サウンド・オブ・ミュージック』でいちごにまつわるかわいいエピソードが。

 『いちごの美しい赤い色やかわいらしい形は、大人の心をふと童心にかえらせるもののようです』…この文には納得。上記のいちご情報は、天野秀二『くだもの天国―フルーツライフの楽しみ』(TBSブリタニカ・1988)から。古い図書だけど世界の果物の起源と移動と栽培などが易しく書かれています。


・お昼ごはん


いちご狩りも無事に済ませて駿河湾沿いの沼津土肥線を走り戸田(へだ)港に到着。

午後1時半過ぎに、Masatoさんご推奨のマルヨシ食堂隣の姉妹店で昼食。入り口の生簀で戸田名物のタカアシガニがお出迎え。私はかさごの煮魚定食を注文。味にコクがあってとても美味しかった。お味噌汁も気に入った。
ここで1時間ほど休憩。伊豆半島の地図を見ながら帰りの道順を打合せ。渋滞を避けて、修善寺、中伊豆を通り伊豆・芦ノ湖・箱根スカイラインを通り、御殿場へ北上するルートに決定。


・スカイライン特集

戸田港から修善寺へ、細い県道は車と観光客で結構混み合っているが、ちょっとした修善寺観光気分。伊東修善寺線を抜け冷川インターから「緩やかなアップダウンが楽しめる」とツーリングマップルに書いてある伊豆スカイラインへ。このあたりから空気はヒンヤリしてきたけれど山間の景色が続いてなかなか素敵。また、どこのスカイラインを走ったときだろうか…緑の中にちらりと見た菜の花の黄色も良かった。亀石峠、韮山峠、玄岳、熱海峠、箱根スカイラインと、今日はとにかくワインディングの連続だった気がする。皆、気持ち良さそうに、走っている。バイク間の距離も不自然につまったり、開いたりしない。

小回りの苦手な私にとってはワインディング教習になった。行きは目先の道路ばかり気になって、視界が広がらない。愛鷹林道のそれとはまったく感じが違う。ダートは得意気に進んだのに。石もぬかるみもない道なのに、うまくいかない。よけいに大回りになるので遠くを見るようにするとなんとかハンドルが安全に切れるようになった。

Toruさんに「レースじゃないんだから、道幅いっぱい、路肩まで使って走ることないよ」と言われた(笑)。要するに大回りなんだな。とほほ。カーブは45キロ以上だと曲がれないことがわかりました。カーブなのにメーターに目が行くってことは、やっぱり遠くを見てないって証拠か…。


・夜の首都高湾岸線デビュー


御殿場から東名高速に乗り足柄SAから数回休憩をはさんだけれど、すっかり日が落ちて、どこのインターも混んでいた。皆は渋滞をいかに避けて早く帰れるかを話している。

Masatoさんより、帰りの高速は「90キロ台で」とのことだった。東名高速から、高速湾岸線を走ることに。夜の湾岸線は流れが速いと聞いていたので、デビューするのが夢でした。高速はまっすぐなので嬉しい。これで大回りの心配も要らない。神奈川県に入って気温が暖かくなり、ぐっと走りやすくなった気がする。(走りやすくなって暖かくなって、好条件になったところでとても怖いことが…。)

その後、Mamoruさん、Masatoさん、Koichiroさん、Toruさんの順でお別れ。走りながらのお別れは片手を挙げたり、ホーンで合図をしたりするのですが、私は走ることに精一杯でどちらもできませんでした。でも…皆さんの走り去る姿がこれがまた、カッコ良かったんですよ。こうして無事に8時半には江戸川区にたどり着くことができました。


・お風呂で今日の反省

よそ見をしてフラつき数回。坂道付近での立ちゴケ1回(突然思い出したように書き加えていますが、帰りのスカイラインで道順を確認しようと皆さんがバイクをゆっくり芝生の上に止めた、その直後。私の場合は芝の小山に乗り上げる形で止まり、ぱたんとコケました)。信号無視1回。大回りの連続で道からはみ出しそうになったこと。

でもなにより、走りやすくなって暖かくなって、好条件になったところで起きた怖いことは…「睡魔」です。こんなに寒いのに眠くなることがあるんでしょうか。これがイチバン辛かった。帰り道、全員一緒の最終の休憩場所であるインターに向かう途中にそれは起こりました。

とにかく眠くて感覚が鈍ってしまって、自分を保つのに精一杯になってしまった…猛反省。後ろを走っていたToruさんによると、バイクが左右にゆらゆらしていたらしい。今、ふりかえっても怖い怖い。その後インターを出発してからは、恐しくって目がギンギンの覚醒状態で走った。

今日の伊豆の気温は3度。みんな目鼻がうるうるしてましたね。自宅に帰り、お風呂に直行し、そのまま数十分ほど湯船で熟睡して、その後ベッドで快眠。

私の幸せなツーリングデビューが無事に終わりました。「走ったぁー」という気持ちがしました。
次はいつだろうか。楽しみやな〜。  (おわり)