2000年夏の東北ツーリン

by Hiromi


●東北ツーリング第1弾
 
 今回のWHA・夏ツーリングは、山形県の磐梯朝日国立公園・新高湯温泉「吾妻屋旅館」が目的地。
 夏は渓流に涼、山の一軒宿といわれるその宿にたどり着くには、300メートルの林道風の砂利道とその後の急勾配を突破せねばならないとか…。
 首都高を経由して、東北自動車道へ。今回のツーリングでの走行距離は全部で600キロを超える見込み。おりしも今日は8月19日(819:バイク)の日。

●今回の参加者

 まずは、恒例の参加者チェック。
 ヘルメットのピカチュー(前回より1匹増えた)と磨かれたカウルが眩しい400ccのKoichiroさん、全身アメリカンでバシッと決めている北海道帰りのWロッパンのMamoruさん、セローに加えて足つきばっちりの渋いエリミネーターも乗りこなすAyaさん、限定色といい、京都ナンバーといい高貴な雰囲気が漂うYAMAHAセローのAkiyoさん、タイヤをオンロードタイプに変えて登場したTTR250ccのToru、と半年点検を済ませた傷だらけの赤白セローに乗せてもらっている私の合計6名が参加。(出張のためMasatoさんは来られず残念!)

●午前7時半に佐野SAに集合

 「待たせてごめんよ〜」。時間ぎりぎりにSAにたどり着くと、「美味しかったよ〜」と1時間以上前に現地入りしラーメンも食べたというKoichiroさんを始め全員が集合している。セロー乗りのAyaさんは今回はエリミで合流している。チノパンの下にはニーシンガードをあてがって安全装備を完了しているのはさすがだ。それToruの履き込んで軽々としたブーツが羨ましい。ああ、私も新品ブーツを履いてくればよかったかな。でもね、新品は馴染むまでは重いのよ。新しい黄色のジャケットを身にまとったMamoruさん。それぞれのマシンを見渡てしばしの休憩&集合写真撮影。白河SAを目指して出発。


●白川SA〜会津若松で昼食

 複数のバイクで走るのはとても新鮮。先頭はMamoruさん、Toru、私はちょうど真中を走行し、Ayaさん、Koichiroさんという順番で走る。前は良く見えるので、二人が思いっきり走りたがっているのがよくわかる。白河SAで全員がトイレ休憩。
 とにかく寒い!カッパをすぐにでも着たい!横でKoichiroさんが「久々の東北の寒さだな」、「90キロ以上で走るのは寒いわ」とAyaさん、「すずしぃ〜」とMamoruさん。皆でカッパ姿に変身。私も全身ガクガクの震えが止まらない状態でトイレに直行。Toruはすでにバイクにまたがり横の生垣でエンジンをふかしている…。

●羽鳥湖のほとりで〜マーフィーの法則と3台のワゴン車壊れタコ
 広く見通しの良い道がとても気持ちいい!こんなにも走ってしまった〜!というのがここでの私の感想。その横には「もっとかっとびたい」とToru。雨も少ないうちにダートに行こうか、という話になった。
 羽鳥湖のある天栄村へ向かう途中は、色鮮やかなコスモスの横に紫陽花が咲いている。午前10時半過ぎ。緩やかな道が砂利道になっていて、砂利道の細めの林道入り口にさしかかったことがわかる。
 まずはここで停止。Koichiroさん、Toru、私とバイクを停める。…と後ろで砂利が転がる音がしたような気がして、なにげなく後ろを振り返るとAyaさんが転倒している!気づいたToruがバイクを起こしに駆け寄って皆もバイクを道路わきに寄せAyaさんとバイクを囲んだ。Ayaさんのカッパがくの字型に破れて、ニーシンガードまで達していた。でも足までには達していなくて本当に良かった。壊れタコ2
 バイクからタコメーターがぶらさがり、加えてタンクがへこんでいる。後ろのウィンカーも片方がぶら下がっていた。冷却水の緑色の液体がとろりと砂利道にこぼれている。Toruが壊れた部分の修理を始めたが、Ayaさんはタンクをさすってがっかりしている。
 タコメーターをガムテープで本体に貼り付けたいところだがテープもなく、Koichiroさんが枝を編んでみたり、ヘアゴムを活用したり、いろいろ研究した末にカッパの袋をつかってどうにかタコメーターを固定した。エンジンもかかったし、よかった、よかった。
 Ayaさんがここでひとこと「ツーレポに書いてね」。横でKoichiroさんがぽつりと「つゆ草、萩の木、栗の木…春夏が混在している」とつぶやいている。ここで全員引き返し、お昼ご飯にすることに。

●お昼ご飯&全員集合わっぱめし
 11時過ぎに林道入り口を出発。昼食は会津若松市にある日本料理「田季野」で。1時近くに会津若松に到着し、友光さんと合流!!めいめいのわっぱめしを注文し、記念撮影。那須を走ってきたという友光さんも楽しそうだ。AyaさんはYSPが山形市内に2件あることを電話で確認して安堵している。
 「ここまでの感想をひとこと」:Mamoruさんは「街中はTWに限る!」。ここまで先導してくれたKoichiroさんは「いや〜、道間違っちゃった」。Toruは「やっぱコスモス・きれいな水田・タコメーターでしょう」。とみんなバラバラで面白い。私は「わっぱめし」で頭がいっぱい。山菜や、鮭、イクラなどが乗ったご飯はとても美味しかった。
 

●3時に山湖台〜矢板SAで休憩
 県道64号からスイッチしてゴールドラインへ抜けて桧原湖へ。ここで休憩という感じで、めいめいがバイクを規則正しく並べる。景色がとても綺麗だ。Koichiroさんが三脚を、Ayaさんはデジカメを、みんな思い思いのカメラを取り出す。
 その後はバイクの試乗会?MamoruさんがToruのレイドに乗ってみる。さすがバレリーナバイクといわれるだけあって、足がツンツンで止まるのが難しそうだ。白煙をあげて走るセローの点検もかねてToruがセローに乗りバウバウふかしている。Akiyoさんが「上手い人が乗るとバイクも自転車に見えるね」と言う。私も同感だ。Ayaさんのエリミも調子よく走りつづけている。
 私はAkiyoさんのセローを見せてもらった。暑さが厳しい山湖台にくらべて矢板SAはやや涼しげだった。

●宿に到着宿の前
 県道をぬけてスカイバレー白布峠を走ると、そこはもう山形県。このままのペースで走れば予定通りに5時までに新高湯温泉に到着できそうだ。白布温泉天元台温泉を目印に標高1120メートルの宿を求めて走りこんでいくと…。「天元台」の看板が見えて宿が目の前に来ている事を実感した。
 途中、砂利道が現われて、どうやらこの先が温泉っていうわけか。皆がどんどん前進する中、一番後ろの私は随分おくれて後を追った。恐れていたとおり、坂道の途中エンストし額から汗がこぼれる。このまま無事に昇っていきたいのだけど、次から次に急な坂が続く。目の前がクラクラして緊張がピークに。
 やっと宿が見えたとき、なんと嬉しかったことか。宿の手前でふらついて立ちゴケをし、レバーを曲げた。(;_;)うなだれかけた私をよそに皆は写真撮影を始め、AyaさんとToruは曲がったレバーも写している。なんだか楽しくなってつい笑ってしまった。チェックインは日没前の4時50分。

●温泉三昧&美味しいご飯
 さっそく着替えて内風呂に。ちょっと熱めで気持ちいい!このあと夕飯かと思うと嬉しくて仕方ない。食事は独自の田畑で取れるお米を使っているとのこと。それにお水も美味しい。きっと何日か過ごしただけで肌がつるつるになるだろう。山菜やイワナ、馬刺し、お刺身、テーブルに溢れたおかずが並ぶ。皆でわいわい食べ始める。
 食後の露天風呂もまた格別だ。周りは山ばかり。自然の中にぽつりとある温泉はまさに「秘湯」といった感じ。ちょうど女性だけが入れる時間帯でもあって、食後のひとときは温泉を満喫。女性陣3名でわいわい入浴する。お湯の温度は高めなので長湯はできないけれど、空気が冷たいせいもあり気持ちよく入浴できる。

●反省会&北海道談話
 夜は反省会といっても、Mamoruさんの北海道話がハイライト。おもむろに布製の地図を広げて、「やっぱり道北がいいよ」などというお話から始まると、以前自転車で北海道を旅したことのあるAkiyoさんのお話&桃果汁グミ(福島限定)も加わり…。ルートの説明をしてもらったり、出会った人たちの話を聞かせてもらう。北海道に行ったことのない私も行った気分になってくる。みんないろいろ走りこんでいるのだな。明日のルートなども確認し、あっというまに12時をすぎてあくびもではじめたことろ、女性陣は部屋にもどる。「おやすみなさい」。

●宿を出発から会津高原・日光街道
 出発の朝は6時前に起きて内風呂へ直行し林道走破に備える。まだ他の皆は寝ている。そっと着替えて、Toruと近くの林道をめざすことに。出入り口でKoichiroさんと、Mamoruさんに会う。浴衣すがたでこれから朝風呂といった感じ。
 「行ってきます」と報告し、急斜面を下りはじめる。露天風呂からも手を振ってくていたらしい。山を下り、林道を探すが見つからず宿へ引き返す途中にToruが見つけたブルドーザーが切り崩した坂(私にすれば崖)を往復。「マジですか?」とうろたえながらも体は坂を昇り始める。頂上まで150メートルくらいでスイッチバックぎりぎりといった感じ。私は1往復のみ。Toruは3往復してきたところで一緒に宿へ戻る。朝食を済ませたら9時をめどに出発の予定。宿の人がくれた「日本の秘湯を歩く・スタンプ帳」をお土産にもって帰る。

●会津高原〜日光街道〜会津西街道

 無事に宿を出発し、急な坂を下りきったところでどうにか6台が無事に降りてきたことを確認する。市内のYSPに寄ってバイク点検をすることになったAyaさんとはここでお別れ。残りの5台で桧原湖を左に南下し、「道の駅裏磐梯」でアイスを食べたり、お茶を飲んだり、もぎたてトマトをかじったり、しばしの休憩。地図を見ながら磐越自動車道を過ぎて会津坂下のお蕎麦が名物の「こぶし館」で12時半にランチ。気温も高く、みんな一様に眠そうだ。西那須に4時をめざそうということで1時に出発。

●1時半にそれは起こった
 金山町を出発し、峠を超える。私はちょうど真中を走る。Toru、Koichiroさんが先頭チームでカーブがきつくなるとどうしても前の二人と自分の間に距離をあけてしまう。
 結局自分のペースで昇るしかない。離れた後ろをAkiyoさん、Mamoruさんが走行。ワインディングが続いている。昇り坂でカーブもきつい。このまま頂上までこんな上り坂が続くのかなと不安にかられる。「急だな」と感じた2つ目の昇り坂にさしかかる。
 恐れていたとおりカーブをラインどおりに曲がり切れずに対向車線にゆっくりとバイクがはみ出てしまった。同じようなスピードで正面から軽自動車がやって来た。ブレーキをかける間もなく、坂を下ってくる対向車の前扉にバイクの前輪がボンとぶつかった。同時に車は止まり、私はセローに乗ったままそのまま左にぱったんと立ちゴケしてしまった。痛いというより「ああ、やってしまった!」という後悔の気持ちでいっぱいだった。
 そのまま何秒経過したのだろう。道路にへたりこんでいるとToruが引き返してきて「何やってんの?」と言うので「コケちゃった」と答えた。加えて、横に止まっているドアのへこんだ自動車を見てさぞかし驚いたことだろう。Toruとのこの会話でやっと我に返り、セローを起こしにかかるのをMamoruさんが手伝ってくれた。そのセローをToruが道路の脇に寄せた。Toruに「本当に怪我をしていないかどうか見て確認して」といわれ袖をめくり腕やわき腹を見たが別状はない。坂を振り返るとMamoruさんのバイクが後続車を止めるような形で道路に止まっていた。
 自動車に乗っていた運転手が車から降りてきたので頭を下げると「気をつけなきゃダメだよ」「この山は難しいよ」と言われ、この時はかなり落ち込んだ。保険の確認と連絡先の交換を済ませ、自動車が去った後は道路の脇で気持ちを整えてからセローのエンジンをかけた。KoichiroさんとAkiyoさんが前方から降りてきたので、揃った皆に詫びを言った。…「WHA」始まって以来の交通事故!(みなさん本当にごめんなさいm(_ _)m)。

●後処理と二人とお別れ
 私とToru、Mamoruさんにも同伴してもらい近くの警察に事故の届出とバイク屋への保険確認をしなくてはいけない。これらの作業を今すぐ済ませたいので、回り道をすることもありKoichiroさんとAkiyoさんには先に帰ってもらうことに。事故のせいで皆で一緒に走れなくなり更に申し訳なくなる。
 二人を見送った後、最寄の警察で事故について説明するが接触した相手がこの場にいないので事故の届出としては受理できないとのことなので、警察を後にして次はセブンイレブン前の公衆電話からバイク屋に連絡を入れる。一通り保険の確認作業を完了するとMamoruさんがジュースを差し入れしてくれた。
 これからはToruとMamoruさんと3人での走行だ。もう誰にも迷惑をかけたくない。
 ToruとMamoruさんからは「落ち着いて・無理せず」走るようにと言われた。私の精神状態を考慮して言ってくれているのがよくわかった。

●蓮田で夕食〜お疲れ様でした
 途中すり抜けを何度かしながら大きい渋滞にも遭遇せずに無事に蓮田SAに到着。ここで給油と夕飯をすませることにする。Mamoruさんは「恒例の豚汁定食が食べたい」という。Toruはカレー、私はパスタ。食べながらも私は「なぜ転んだんだろう」「なぜ上手に加速できなかったのだろう」と終始コケたことが気になる。食事の後はいろいろ気遣ってくれたMamoruさんともお別れ。本当にお世話になりました。
 そして8時前に無事に自宅に到着。今回のツーリングは皆に心配をかけてしまったが、盛りだくさんで楽しかった。私にとっては初めての泊りがけのツーリング。他の皆にはどんなツーリングだったのだろう。セローに乗ってもうすぐ半年になり、なんとなくバイクに慣れてきて「もっとスピードが出たらいいなぁ」などと思っていた。運転していても「こうしてみたいな」「ああしたら、どうなるのかな」と思うことが多くなった。車体を少し倒すとカーブも無理なく曲がれるのが嬉しかった。そんな矢先にコケてしまった。今回の事故で加速と減速のバランスがつかめていないこと、今の私の技量では路上を安全かつ快適に走行するためには克服しなくてはいけない課題が沢山あることを実感した
 
 8月にして、一足先に秋の味覚を先取りした今回の山形ツーリング!ススキやトンボやコスモスに囲まれての充実の1泊2日でした!(おわり)