ちょっと日帰りで温泉へ(しみず温泉編) 8月7日(土) 台風の影響で天気が不安定。昨晩奈良県南部には大雨洪水警報が発令されていた。 ここ大阪南部も変な天気。雲の流れが速い。 先日近くの図書館で借りてきた「オートバイ 1999年6月号」の「熱湯GAL」のコーナー(決して怪しい内容ではないので念のため。女性ライダーが全国の温泉をバイクで巡るという企画)で、和歌山県南部の温泉の特集があった。 その中で、和歌山県有田郡清水町にある温泉施設「しみず温泉健康館」の紹介がされていたのであるが、有田川沿いにある八角形のユニークな建物にひかれて、いつか行きたいと考えていたのであるが、思い立ったら吉日の心意気で、今日行こうと決意してしまった。 バイク(タンデムで)で行くか、車で行くかかなり悩んだのであるが、天候が不安定あったので、山沿い雨に降られてはかなわないと思い、最終的に車で行くことにした。 家を出たのが午後3時!日帰りで行って帰ってくるにはかなり遅いかと思ったが、一度行こうと決めたら、何がなんでも行かんとあかんと考えてしまい、あとに引けなくなってしまったのである。 ルートとしては、堺から国道480号で山越えをすることに。大阪の場合、東京と違ってちょっと走ればすぐに山へ行ける。余談であるが、山の道は、休日などに二輪通行止めにする道路が結構あってむかつく事がある。善良なライダー達にとっては納得が行かない点である。 話しをもとに戻して、国道480号を南下すると、途中国道170号にぶつかり、それを少し走ってから、また国道480号に入って南下して行く。途中和泉市の父鬼(ちちおに)という珍しい地名の集落を通る。この辺りまでくると、のどかな雰囲気である。しかし、道路の方は、この集落のあとは、だんだん狭くなっていき、完全1車線の登りがつづいて行く。 結構対面から車が降りてくるので、運転には注意が必要である。 バイクで走っていると幅員にそれ程気を使うことはないのであるが、車の場合、これを気にする必要があるので、山道を運転していても楽しめない。緊張の連続である。 峠(鍋谷峠)を越えると和歌山県に入る。ここからは、下り坂になるが、ここからしばらくは2車線の道がつづくので走りやすい。峠を越えてすぐに、ひなびた売店がある。なんでこんなところにあるん、と思った。 途中から那賀かつらぎ線(国道24号へのショートカット)に入り、国道24号へでて、紀ノ川を越えて再び国道480号へ入る。ここからの国道480号は2車線で走りやすい。途中、すいかを売る売店を道路沿いにたくさん見かけた。途中幅員が狭くなる個所もあるが、大阪からの峠越えの道とは比べ物にならないほど走りやすい道路である。ここならツーリングにも最適なルートであると思った。 かつらぎ町の花坂という集落で、国道370号に入る。この道もすばらしく走りやすい道である。失礼であるが、こんな山奥にこんな素晴らしい道路があるとは、と感心するとともに、狭い道を走らずにすんだことに安堵した。この後に大きな試練が待ちうけているとはつゆも知らずに・・・・ 国道370号から国道480号に抜ける山道を「関西2輪車ツーリングマップル」(1995年5月第26版。一昔前のリング式でないやつ)の64ページで「完全1車線 山深い寂しい道」というコメントがある道を行こうと探していたのであるが、どこを入ればよいのかわからず、とりあえず国道370号を海南方面へ走っていると、国道480号への道を示す道路案内板が現れたので、とりあえずそっちの方へ行くことに。 おそらくこの道がそうであろうと思ったのであるが、いきなり完全1車線の道になり、T字路になって左右どちらに行ったら良いかわからなくなってしまった。とりあえず左の方へ行ったところ、前方から地元の方と思われる軽トラックがやって来たので、清水町への道がこれであっているかどうか尋ねてみた。妻が聞いてくれたのであるが、「三叉路を右に行き、おじぞうさんが見えたら云々。」ということで、方向としてはあっているようであるので、とにかくそのまま走っていると、どうも道が怪しい。 不安になったので、三叉路に戻ってみると、地面に「←清水町」と書いた板がおいてあったので、そちらの方へ進むことに。 しかし、車がぎりぎり1台通れるくらいの山道で、本当に行けるのかどうかとても不安になってきた。しばらく坂を登っていると、またジモティーのおじさんが乗る軽トラが降りてきた。清水町はこっちでいいですか、と訪ねると、この辺の訛りのある口調で、「ずっといったら清水だ」と教えてくれた。不信人物ではと疑われていたかもしれない。 とにかく確証が得られたので、前進するのみ。和歌浦湾の方が見渡せるところもあったのであるが、運転に必死で景色を楽しんでいる余裕はない。道はところどころ陥没していたり、中心から谷側が傾斜していたり、土砂が崩れている個所があるので、油断はできない。おまけに路面は雨で濡れている。離合できる個所もほとんどないので、前から車がきたら最悪の事態になる。しかし、幸いにも、先に会った軽トラだけで、以降対向車には一台も会わなかった。それくらい寂しい道なのである。 さて、峠を越えて、今度は下りの道になって、だいぶ下の方まで降りてきたのであるが、またもやT字路にさしかかった。一方は登りで、もう一方は下りになっていたので、普通に考えれば下りを選ぶのが妥当であると考えたが、迷ってしまってはもともこうもないと思い、幸いすぐそばに民家があったので、そこの住人に道を尋ねることにした。 番犬がワンワンと泣き叫ぶ。不審者であると察知したのであろう。清水町への道は、下りの方で良いということであったので、安心して進んでいくことができた。 知らない土地の山道で道に迷うこと程、不安なことはない。 今回と同じような経験を、私が大学時代(今から約8年くらい前)に異国の地で経験したことがある。友人と2人でインドネシアのスマトラ島の北部にあるトバ湖という湖に浮かんでいるサモシール島という島(かなり大きい島です)に行ったときのこと。 トバ湖の大きさは琵琶湖の約2倍の大きさがある。その湖の真ん中にサモシール島があるわけだが、大きな島なので、レンタルバイク(カブタイプのバイク)で観光をすることにした。2台借りる金銭的余裕はなかったのでタンデムでの走行である。 まずは島の外周をちょうど半円を描くように走ったのであるが、これは海沿いの道を走るので大変気持がよかった。目的地は温泉地であったのであるが、そこに行ってもとに戻る際、来た同じ道を帰るのはなんだかもったいない気がして、円の直径を走るように、島の真ん中を縦断して戻ることにした。 島の真ん中は山になっているのだが、トバ湖の自体標高約900メートルの所に位置しているので、山の上の方に上がっていくにつれ、かなり寒くなってくる。熱帯とは思えない気候である。 道路表示板は一切ないく、周りはうっそうと木が生い茂り、林道みたいな砂利の道をタンデムで進んでいく。途中雨が降ってきたりして、なかなか距離が稼げない。 そうこうしているうちににも時間が過ぎゆく。この道で正しいのかと思いながら走っていくのは大変不安である。幸い、途中でトラックを発見し、一番近くの集落までの道を確認する。そうして走っているうちに、視界が開け、湖畔の景色が見えるところまでやってこれた時に妙にうれしかったことは、今でも忘れていない。 さて、そんなこんなで、目的地には確実に近づいていたのであるが、車の往来は全然ない。ときおり工事用トラックを数台見かけたが、相変わらず対向車は来ない。 やっとのことで、国道480号に抜け出たときには辺りも暗くなっており、既に家を出発してから約3時間程度経過していた。 目的のしみず温泉にはすぐに到着した。無料駐車場が完備されているが、それ程大きい駐車場ではない。 インターネットホームページ等で見られる写真の様な景色は(建物の全景を見る場合)、すぐそばの有田川に下りると見られるようである。 営業時間は午前10時から午後9時まで。入温料は大人600円。ロッカーで貴重品を預ける(100円。後で戻ってくる。)。脱衣場には温泉水が飲めるようになっていた。ちなみに男性用の脱衣場にはドライヤーはなかったが、女性用にはあったとのことである。 湯船は一つしかなく、露天風呂はないが、槙づくりの湯船は趣がある。窓からは有田川が見下ろせる。ここは明るい内うちに来た方が景色が楽しめるのではと思った。 休憩室は広く、畳のある座敷でのんびりとくつろぐ事ができる。そばに宿泊施設もあるので、泊りがけできてもいいなあと思った。 1時間程くつろいだ後、帰路につくことに!! 帰りはひたすら国道480号を有田方面へ走る。夜の山道はごめんだ! この道はほぼ2車線でとても快適な道である。有田川沿いを走っているので、明るいうちに走っていたら気持いいだろうなあと思った。 しばらく走ると、二川ダム近くの道路沿いに、二川温泉というのもある。外から建物をみただけであるが、こちらもよさげである。 その後、国道42号に出て、和歌山市内から国道26号に入り、ひたすら金をケチって一般道で帰ることに。しかし、国道26号は走っていても面白くないし、なぜか箱作のあたりで渋滞したし、夜の11時を過ぎていたこともあるので、泉佐野から阪神高速湾岸線に乗ったのでありました。家に着いたのは12時前であった。 (注)国道480号から海南湯浅道路を経て大阪方面へ帰れるのですが、吉備ICの入口がややこしいので注意が必要。信号待ちをしていたら、同じ和泉ナンバーの車にインターの入口を聞かれてしまったくらいです。 さて、今度はどこの温泉へ行こうかなあ。 (BY Horipa) |