時は8月1日午後6時。場所は中央高速道伊那IC付近の喫茶店。2つのテーブルを陣取る男女計8人。これからどうやって帰ろうかと検討中であった。携帯電話で高速道路渋滞情報を聞きながら、東京・神奈川・埼玉方面へ戻るバイク6人組の帰宅ルートを思案していた。翌日仕事を休む予定のわたしはともかく、他の方々は出勤しなければならない。一刻も早く帰りたいのはやまやまだが、中央高速の渋滞がすごいらしく、考えただけでも気が重くなる。そこで神奈川のMasatoさんを除く東京・埼玉組の迂回ルートが各種検討された。勝沼ICで高速を降りて北上、佐久ICから関越に入るという案、塩山を経由して雁坂トンネルで秩父に出て帰るという案、往路と同じ青梅街道を抜けるという案も出たが、最終的に勝沼IC→塩山→雁坂トンネル→秩父というルートに決まった。
7時頃に大阪からいらしたHoripa夫妻に別れを告げ、われわれ6人バイク組は伊那ICから中央高速道に入り、一路東京方面へ向かった。
(ここまではHoripaさんの『木曽路ツーリングレポ』と同じ。ここから先が東京方面組の長〜い帰路の話となる)
前日にも立ち寄った諏訪湖SAに到着。なんでも大月-八王子間が3時間との情報。う〜っ、めまいがする〜 とりあえず行けるところまで行ってみようということで双葉SAをめざし、そこで食事休憩をとるということにした。
Aiさん、Mamoruさん、Masatoさんの先行組、Takashi会長とToru.Oさんとわたしの80km/h巡行組に別れて走る。前日は高速走行初体験ということもありだいぶ緊張していたが、さすが二日目ということもあってかなり慣れてきた。前後ベテランライダー達に守られているという安心感もあった。それでもわたしは80km/h巡行が精一杯。アクセルをふかしても80km/h以上なかなか出ない。それに振動で腕がつらい。バイクがセローで乗り手がわたしだからしょうがないかという気もしてくる。何とか90km/h巡行できるまでにはなりたいと思うのだが・・・
双葉SAに到着(時間は夜9時頃?)。少しは渋滞が緩和されているのではと期待もしたが、そのようなことはなかった。やはり大月-八王子間3時間というのは変わらない。このまままっすぐ行ったら渋滞で疲れそうだし八王子ICにたどり着くのは明日になっちゃいそうね、ということで雁坂トンネル-秩父ルートは確定的となった。
これからの旅路は長い。間違っても寝てはならない。と思うと食欲がわかない。が、空腹で体力が低下するのも良くないということで、なんとかホットドッグを3分の2食べた。
普段と変わらず食べた方、眠気を呼ばぬためかほとんど食べなかった方、昼食で食べ損なったミソカツ丼を食べた方といろいろだったが、願いはひとつ、「みんなで無事に帰ろう!」。間違っても今ここで食べた豚汁やミソカツ丼が最後の晩餐ということになってはならない。双葉SAによる度に「あの時●●さんが最後に食べたミソカツ丼」などと思い出すようなことがあってはならないのだ(ならなかったので、今こうやって書いてるんだけど(^^;)。
食事休憩を終え、ガソリンを満タンにして双葉SAを出発。勝沼ICで神奈川方面へ帰るMASATOさんと別れ、5人は塩山・雁坂トンネルを目指す。ワインの町勝沼ということ昼間は観光客が多いようだが、日曜夜ということもあり車も人もめっきり少なく、ただの地方都市といった風情である。
塩山を抜けると、ひたすら山道。地図を見るとキャンプ場やら湖やらダムがあるらしいが、わたしの頭の中はトンネルを目指すことだけ。ひたすら走りに専念する。
雁坂トンネル手前「道の駅みとみ」でトイレ休憩。電光掲示温度計を見ると気温は17度。すずしい。下界の猛暑が嘘のようである。もしも寒かったらということでレインウェアを着込み、いざ雁坂トンネルへ。AiさんとMamoruさんはお互いのバイクをとりかえっこしていた。
雁坂トンネルは全長5〜6kmほどであろうか。こんな長いトンネルをバイクで通過するのは生まれて初めてである。昼間だったら行楽マイカーやトラックでうっとおしそうなトンネル内部も、さすがにこの時間だけあって通行車もほとんどなく静かだ。
雁坂トンネルを抜けてもまた別のトンネル。トンネル内で急カーブなので、結構怖かった。
トンネルを抜けるとそこは秩父〜! といっても山の中であることには変わりなく、ひたすら静寂の中秩父方面を走るバイク5台。6/12ツーリングの時に記念撮影をしたループ橋も通り、「道の駅荒川村」でバイクを止めて、一息つく。時刻を見ると12時半。日付が変わっていた。ついに1泊3日ツーリングになってしまった。
見上げると満天の星空。月明かりもきれい。ほんのかすかだが天の川が見える。天の川を肉眼で見るなんてそうそうないこと、わたしは寝転がって眺めた。
この時間にこの場所にいたということは、けっこうすごいことなのだと思う。雁坂トンネル〜秩父なんて、それだけでひとつの立派なツーリングである。地図だけみるとめまいがしそうだが、不思議と気分が良かった。車の往来がほとんどない山道を、月の光の下で走るムーンライトツーリング。涼しくてとっても気分がいい。
さて、ここで再びルートの検討。当初の予定では秩父市内から299号で飯能方面へ抜けるということだったが、時間短縮のためこのまま140号で寄居町までいって花園ICから関越自動車道に乗ることになった。「えっ、また高速に乗るの〜」ということでちょっと抵抗があったが、まあこれも経験ということでごいっしょすることにした。
荒川村から寄居町までひたすら140号を走り、花園ICにたどり着く。途中睡魔に襲われながら走っていた人も若干名いたようであるが、わたしは不思議と全然眠くならなかった。前日二日酔い気味でよく眠れず、開田高原あたりまでは体調がすぐれずにどうしようかと思ったほどだったが、やまゆり荘で15分程度の仮眠をとってからは目がばっちりとさめ、それ以降全く眠くならなくなった。
インターの入口でAiさん、Mamoruさん、Toru.Oさんとはお別れ。みなさん、あしたお仕事がんばってね〜 Takashi会長とわたしは巡行80km/hで帰路につく。
この度のツーリングは高速走行未体験だったわたしの「高速教習」というのもかねていたのであるが、まさか、夜間高速教習まであるとは思わなかった。例によって80hm/h巡行で、後ろからくる車やトラックにバンバン抜かれていくのであるが、わたしの後ろをTakashi会長が走って下さったことと、道路自体がとてもすいていたこともあって走りやすかった。いつもこのくらいすいていたらいいのにな〜。
高坂SA(先行組3人にちょっと会った)でガソリンを入れた後、わたしは川越ICでTakashi会長と別れて高速を降りた。無事走り終えた安堵感からであろうか、なんと途中道に迷い(アホ〜)、おかげで15分ほど余分に時間がかかってしまったが、3時30分頃帰宅できた(ホッ)。
かくして、高速走行&お泊まり&長距離と初体験盛りだくさんの木曽路〜秩父は無事終わった。
「とにかく走って走りまくってうまく乗れるようになろう」と月間走行処理1000キロを心がけているが、相変わらずひとりではなかなか埼玉から出られないわたしである。またつれてって下さい>皆様